ラーメンを食べるため、良い場所を探して朝から森をさまよい続け、気付けばもう13時。お腹が空きました。
1.素人が山奥でラーメンを作る
さっそく準備に取り掛かります。
買ったばかりのバーナーとガスを組み立ててます。そして試しに火をつけ・・・つけて・・・つかない!
いや、正確にはつくのですが、すぐに風で消えてしまいます。そんなに強い風ではないのですが・・・。
ちなみに私、アウトドアの経験はゼロです。こういう場合どうしたらいいんでしょう?
とりあえず、前に見たアウトドア系の動画を思い出します。あの動画では石を積み上げて壁を作ってたな・・・
何故か近くに落ちてた瓦で風上に壁を作りました。
不格好ですが、ちゃんと火はついてくれたので問題ありません。
安心し、準備を続けます。続けようとして、重大な事実に気づいてしまいました。
水が無い!!!
・・・何てこと。コンビニで買ってくるつもりが、すっかり忘れていました。
どうする・・・今から山を降りて買ってくるか・・・。でもそれだとだいぶ遅くなってしまいます。
近くに水道などある筈もなく、しばらく途方に暮れてしまいました。
・・・いや待て、水はある。正確には水ではないが、水分はある。
そう、私は水筒を持ってきている!
ウーロン茶です。
・・・まぁ、ベストな選択肢だとは思いませんが、致し方ないでしょう。ポカリスエットじゃなかっただけマシです。
いや、これは水です。断じてお茶などではありません。そう思い込むことにしました。
さて、鍋が「水」で満たされたところで、さっそく火をつけます。
そしてほどなく漂ってくる良い匂いに気付かない振りをしつつ、麺や他の具材の準備を進めます。
その時、さらに重大な事実に気づいてしまいました。
箸が無い!!!
・・・何てこと。水はコンビニに寄ったときの買い忘れですが、箸は完全に失念していました。素人が思いつきで行動するとこんなことになるのですね。
さて、どうしましょう。取り敢えず火を消して考えます。
バックの中を漁り、何か代わりになりそうなものがないか探しましたが、そんな都合のいいものはありません。
今から山を降りて買ってくるか・・・しかしもう鍋に「水」を入れてしまいました。
ならば・・・箸無しで食べるか。こう、鍋から直接啜る感じで。・・・嫌だ。
では手で食べる? ラーメンを? ありえない。
ならば・・・やるしかない!
前に見たアウトドア系の動画を思い出します。あの動画では箸は現地調達でした。
竹があればいいのですが、見当たりません。なので竹以外のものを使うしかありません。
・・・こいつにしましょう。
木の枝を一本拝借します。
そしてちょうどいい長さに折り、木の皮を剥いでいきます。動画ではナイフで削っていましたが、そんなものはないので爪で少しずつ剥ぎます。
剥ぎ終わったら今度は消毒のため火で炙ります。これは動画にはありませんでしたが、知識が無く怖いのでやりました。生木なので簡単には燃えません。
さて、これで箸は入手できました。意外とやれるもんですね。
お湯を沸かす作業に戻ります。
沸きました。めっちゃ良い匂い!
え? これに麺を入れるの? 本当に?
やるしかありません。
これもうこのまま食べてもおいしいのでは?
麺がほぐれたら今度はスープの素を入れます。なんでしょう、この罪悪感は・・・
そして買ってきた具材と家から持って来たワカメを入れて、完成しました。
2.山奥でラーメンを食べる
13時50分。待望の瞬間です。頂きましょう。
味は・・・美味!
微かにお茶の風味がしますが、全然気になりません。味噌ラーメンだからでしょうか、普通においしいです。
(・・・何だこの箸は。使いにくいな)
ラーメンを食べながら持ってきた焼き鳥の缶詰を温めます。
これも美味!
誰も居ない山奥で一人、のんびりと食事を撮ります。人の声や車の音等は一切せず、聞こえてくるのは風の音と木々のさざめきだけ。
こんな時間が、たまらなく好きです。
ゆっくり味わいながら食べていると、鍋が触れるくらいまで冷えました。
口を付けてスープを飲みます。
・・・お茶だこれ!
何てこと。麺を食べてるときは気になりませんでしたが、スープを飲むと明らかにお茶の風味がします。
うぅ・・・麺はおいしいのにこのスープは・・・
家ならば流しに捨てるところです。しかしここではそんなことはできません。頑張って全部飲み干しました。
まぁ、これも思い出ですね!
3.紅葉の名所?
ここにたどり着いた時から思ってましたが、見事なもみじの木が沢山あります。
食後の運動も兼ねて、少し辺りを散策してみました。
この明るい綺麗な緑の葉を付けた木、全部もみじです。
これは・・・色付いたら凄いことになるのでは・・・。
凄い場所を見つけてしまったのでは・・・
どうやらここにはもう一度来る必要があるようです。
10月の中旬頃でしょうか。次はここでちゃんとしたお茶を飲みましょう。お茶請けも何か買ってきます。きっとまた素晴らしい時間を過ごせることでしょう。
4.帰宅
非常に良い場所だったので名残惜しかったですが、帰るための後片付けを始めます。頑張って作った箸を持って帰ろうか本気で悩みました。
そして一気に走り抜けます。今日は悪路ばっかり走ったので綺麗な421号線が凄く快適に感じました。
15時34分。無事家に到着しました。
走行距離104.9km。いろいろ手こずったため遅い昼食となりましたが、満足です。スープ以外は。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。