12月3日~4日。2日かけて熊野古道の大雲取越と小雲取越を歩いたので記事を書きました。本記事は後編、小雲取越の記録です。
【今回の結果】
歩いた道:熊野古道 中辺路 小雲取越・大日越(小口集落 ⇒ 湯の峰温泉)
歩行時間:約9時間20分(昼食等の休憩含む)
歩行距離:約20km(GPSが狂った!)
累積登り:???m(GPSが狂った!)
累積下り:???m(GPSが狂った!)
消費カロリー:4252kcal(YAMAPアプリで計測)
難易度:★★★★★(一定以上の基礎体力と装備が必須)
【前回と合わせた結果】
歩いた道:熊野古道 中辺路 大雲取越 ⇒ 小雲取越 ⇒ 大日越
歩行時間:約17時間50分(昼食等の休憩含む)
歩行距離:約39km
消費カロリー:8389kcal
難易度:★★★★★
前回(大雲取越)の記録は↓↓
小雲取越(本記事)↓↓
大雲取越(1日目)↓↓
小口自然の家 ⇒ 小雲取越
朝7時25分。小口自然の家から熊野古道 小雲取越に向けて出発しました。
昨日は1日かけて大雲取越を歩きましたが、今日はその続き、小雲取越を歩いて熊野本宮を目指します。
体調は万全!・・・と言いたいところですが、残念ながらそうはいきません。
熊野本宮目指して、熊野古道 小雲取越一人歩きスタート❗️
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月3日
なんかもう既に左足が痛いんだが… pic.twitter.com/kwSI1Ku7zt
昨日、小口自然の家に到着した時点では疲労はあっても痛みは全く無かったのですが、なぜか布団に入った後に左足の膝が痛み出し、一晩明けても消えることはありませんでした。
開始早々不安に駆られますが、まぁ、なんとかなるでしょう。
昨日歩いた大雲取越は熊野古道 中辺路の中でも最も難易度の高い道でしたが、今日歩く小雲取越はそれほどでもないのですから。
そ、それほどでもないのですから・・・
ま、まぁ、開始直後がひたすら登りなのは当然のこと。頑張って進みましょう・・・
と、ここでふと左手のプロトレックを見てみると、なんかGPSが狂ってる!
ルートを外れて、とんでもない場所に一瞬で移動したことになってます。なんじゃこりゃ!
これのせいで今回の小雲取越で歩いた距離などは正確に測れませんでした・・・。なんでだ・・・。
くそぅ・・・まぁでも悩んでいても仕方ない。先へ進みます。
初めの厳しい登りが過ぎれば、しばらくは穏やかな道が続きます。
熊野古道 小雲取越一人歩き中❗️
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月4日
さっきからずっとキツツキが木をつついてる音がしてるのに一向に姿が見えない
もどかしい… pic.twitter.com/Cuu1Rm8cVD
桜茶屋跡 ⇒ 百間ぐら
9時15分。歩き始めて約2時間かけて、桜茶屋跡に到着しました。
この場所、遠くに昨日歩いた大雲取越と宿泊した小口の集落が見通せます。いい景色。
たった2時間でこんなに歩いたんだな・・・。
どんどん進みます。
休憩ついでにガイドブックを確認。
賽の河原地蔵。名前が不吉。
熊野古道の道中で見かける地蔵は大体が巡礼中に亡くなった人を供養するためのものだそうです。賽の河原ということは、もしかして子供がここで亡くなったんでしょうか・・・
手を合わせてお祈りし、先へ進みます。
ん、あそこは・・・
おお!
11時15分。歩き始めて約4時間かけて、百間ぐらに到着しました!
めっちゃいい景色!
これまで何度も山に登ってきましたが、ここまで感動した景色は初めてです。坂を上ってきて、思わず「おぉ・・・」と声が漏れました。写真だと伝わらないかな・・・
少し早いですが、この場所で弁当を食べるとします。
登山で食べる飯はいつも美味しいですが、今回ほどそれを実感したことはありません。
最高でした。
請川へ
百間ぐらで30分ほどのんびりし、熊野古道歩きを再開します。ここから先はひたすら下りになります。
さて、これまではなんとか騙し騙しやってきましたが、長い下り坂となるともう誤魔化せません。左足の膝に限界が近づいていました。
しかし小雲取越のゴールまではもうそんなにありません。
トレッキングポールを頼りに、左足をかばいながら歩き続けます。
そして13時30分。約6時間かけて小雲取越のゴール、請川にたどり着きました。やったぞ!
熊野本宮へ
今回の旅の目的、熊野古道 大雲取越と小雲取越は歩き切りましたが、実はまだゴールではありません。(むしろ地獄の始まりはここからでした・・・)
熊野巡礼のゴールと言えばやはり熊野本宮です。
この先は古道ではなく普通の道路なのでバスに乗る人も多いようですが、僕はせっかくなので歩いて向かいたいと思います。
ただ・・・どういう理屈なんですかね?
山の中では左足の膝が痛かったですが、舗装路を歩いていると両足の全体が痛くなってきました。
痛い! 歩くのが辛い! でもあと少し!
そうして最後の 地獄 関門。
この階段を上ります。
最近すっかり公共の場のマナーとして定着してしまったマスクを装着して・・・
地獄とはまさにこのこと。
痛む足を引きずり、息苦しいだけでなく汗で蒸れて気持ち悪いマスクをつけて少しずつ登って行き・・・
14時45分。歩き始めて約7時間20分かけて、熊野本宮に到着しました!
やりきったぞおおおお!!!!!!!
・・・と、声を上げて喜びたいところですが、実はまだです。
まだ、地獄は続きます。
大日越
前回熊野古道を歩いたときはまさしくこの熊野本宮がゴールで、到着後はバスに乗って帰りました。
しかし今回は違います。この日の宿泊所まで、まだ歩かなければいけません。
まだ昼過ぎですが、山奥のためかすでに太陽が山に隠れようとしています。急がねば・・・
そうして 15時15分。今回最後の山歩き、熊野本宮と湯の峰温泉をつなぐ「大日越」に突入します。
この道、正直甘く見ていました。
距離は3キロ程度。標高も低く、大雲取越と小雲取越を制覇した自分なら余裕だろうと。
確かに普段の自分なら余裕だったかもしれません。しかし2日間ひたすら山道を歩き続けて疲労困憊の体に痛む足を抱えた状態で歩くには、あまりに厳しい道でした。
登りで息が上がるよりも先に痛みのために立ち止まって休憩、というのを繰り返しながら進みます。
本当は座ってしっかりと休みたいですが、しかしのんびりしていると日が暮れて真っ暗になりかねません。膝に鞭を打って進みます。
そうして最後の地獄。もはや限界の膝にとどめを刺そうする長い長い下り坂。
(僕は聖地を目指して歩いてたのになぜ地獄にいるんだろう・・・?)
もはや体重のほとんどをトレッキングポールに預けて進みます。まるで足ではなく腕で歩いているかのようです。
太陽はすでに隠れてしましました。暗くなるのはもう時間の問題ですが・・・
ん?!
着いたああああああああ!!!!!
巡礼者の癒しの地、湯の峰温泉!
写真の左側に写ってるのは世界遺産にもなってる温泉「つぼ湯」の入り口ですが・・・そんなものはどうでもいい!宿はどこだ!
着いたああああああああ!!!!!
あああああああああああ!!!!
今度こそ! 本当に! ゴールです!!!
【この日の結果】
ルート:小雲取越 ⇒ 熊野本宮 ⇒ 大日越
歩行時間:約9時間20分
歩行距離:約20km
消費カロリー:4252kcal
【2日間の結果】
ルート:大雲取越 ⇒ 小雲取越 ⇒ 熊野本宮 ⇒ 大日越
歩行時間:約17時間50分
歩行距離:約39km
消費カロリー:8389kcal
1000年以上も前から愛され続けてきた、古い信仰と巡礼の道、熊野古道。
前回挑戦して余りの厳しさに打ちのめされてから約1年半。前回以上に厳しいルートをなんとか歩き切ることができました!
今回歩いた大雲取越と小雲取越は、その厳しさから前回の中辺路(滝尻王子⇒熊野本宮)と比べると歩く人は少ないそうです。
しかし道の素晴らしさ、古道らしさはこちらの方が上と聞いてましたが、まさにその通りでした。
どこまでも延々と続く美しい石畳。緑の苔に覆われた幽玄の世界。
気軽にお勧めするには少し過酷な道ですが、それでも僕は強くお勧めしたい。深い山中のあの独特な雰囲気は、他ではきっと味わえません。
感想を述べます。
最高でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
前編 大雲取越は↓↓
前回の熊野古道歩きは↓↓