12月3日~4日。2日かけて熊野古道の大雲取越と小雲取越を歩いたので記事を書きました。本記事は前編、大雲取越の記録です。
歩いた道:熊野古道 中辺路 大雲取越(大門坂駐車場 ⇒ 小口集落)
歩行時間:約8時間半(昼食等の休憩含む)
歩行距離:18.9km(YAMAPアプリで計測)
累積登り:1347m(YAMAPアプリで計測)
累積下り:1376m(YAMAPアプリで計測)
消費カロリー:4137kcal(YAMAPアプリで計測)
難易度:★★★★★(一定以上の基礎体力と装備が必須)
大門坂 ⇒ 那智大社
12月3日。午前6時過ぎ。和歌山県の大門坂駐車場に停めた車の中で目を覚ましました。
熊野古道 大雲取越の入り口、大門坂駐車場にて起床
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月2日
今日は1日かけて小口まで歩きます pic.twitter.com/qJtqdXv0l4
これから人生で2度目の熊野古道歩き。前回の中辺路(滝尻王子⇒熊野本宮)とは別のルートを歩きます。
寒さにガクガク震えながら準備を進めて7時10分、いよいよ出発します。
最初に通過する大門坂は以前にも来たことがあります。思えば僕が初めて熊野古道に触れたのがこの大門坂でした。
あの時はあまりの距離の短さに驚きましたが、今回はその10倍以上の距離を歩くことになります。
早朝の大門坂。相変わらず美しい。。。
しかし大門坂は一瞬で終わります。
そしてすぐに那智大社へ到着。
ここまでは以前も歩いた道です。そしてここからがいよいよ本番。大雲取越を通って熊野本宮を目指します。
熊野古道 大雲取越
8時5分。熊野古道 中辺路の中でも最難関と言われる大雲取越に突入しました。
初めの内は厳しい登りが続きます。
大門坂駐車場の標高は約80メートル。そこから約6キロ歩いて標高860メートルまでひたすら登りです。
ヒィヒィ言いながら登り続けます。
歩きながら、2回ほど鹿の姿を見かけました。人間は朝から一人も見ていませんが。。。
熊野古道 大雲取越一人歩き中❗️
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月3日
コロナ対策もバッチリ❗️
だって朝から自分以外の人間を一人も見てないもん pic.twitter.com/uOHf1I05OP
ん?
あ、あれは・・・?
なんかいました! なんだあれ?!
後日ヤフー知恵袋で聞いてみたところ、二ホンアナグマとのこと。めっちゃ可愛い!
思いもよらぬ遭遇にホッコリしながらも、先へ進みます。
ひたすら登り続けて10時15分。舟見茶屋跡に到着しました。
那智の海がよく見えます。いい景色。
以前歩いた中辺路(滝尻王子~熊野本宮)では王子と呼ばれるお社やその跡が沢山ありましたが、この道には大門坂の一つを除いて、まったくありません。
しかしその代わりにここのような茶屋の跡地が沢山あります。江戸時代には何十件もの茶屋が点在し、巡礼者をもてなしたのだそうです。
往時の風景に思いを馳せつつしばしの休憩。大雲取越最初の関門である延々と続く登りはここで終わり。ここからはアップダウンはありつつも比較的穏やかな(その代わりめっちゃ長い)道が続きます。
亡者の出会い
舟見峠を越え、ここから標高差100mほどの下り坂に入ります。
この坂には、一つの伝説があります。
熊野古道 大雲取越一人歩き中❗️
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月3日
舟見峠を越え、「亡者の出会い」と呼ばれる下り坂をこれから下ります
伝説によると、この坂は妖怪「ダル」が現れ、取り憑かれた人は意識が朦朧として歩けなくなるという…
僕は霊感ゼロですが、出てきてくれるかな…☺️ pic.twitter.com/W1j1wADjyY
妖怪ダル。巡礼中に飢え死にした旅人の怨霊が妖怪になったとのこと。これが出るがため、大雲取越は「死出の山路」とも呼ばれているとか。
ちょっとだけ期待してしまいましたが、残念ながら僕の元には妖怪ダルは出てきてくれませんでした・・・
地蔵茶屋跡で昼食
亡者の出会いを抜け、相変わらず雰囲気の良い道を延々歩き続けます。
三角の石。どんな意味があるんですかね?
そして11時30分。歩き始めて約4時間かけて、地蔵茶屋跡に到着しました。
いい雰囲気の山小屋。ここで昼食をとるとしましょう。
利用者名簿に名前を書いて、持ってきたパンを食べます。
前日の夜、車中泊した駐車場近くのコンビニで買ったやつです。これはこれであり。
越前峠 ⇒ 胴切坂
昼食後、熊野古道歩き再開します。前回の熊野古道歩きでは昼食をとった時点でもうすでに疲労困憊で、ほとんど意地だけで最後まで歩き切りましたが、今回はまだまだ余裕。
ちょっとは体力がついてきたのかな? なんてのぼせながら歩きだします。
熊野古道 大雲取越一人歩き中❗️
— ながみえ (@nagasaki_mie) 2020年12月3日
これぞ熊野古道!って感じの石段を登ってます
キツい… pic.twitter.com/1WcopNHrbo
そして13時15分。大雲取越の最高峰、越前峠を通過。この先は大雲取越最大の難所に突入です。
標高差800メートルを一気に下り降りる、胴切坂です。
登山の後半は常に下りですが、それにしてもこれは酷い。急勾配をひたすら降り続けるためここで一気に膝に負担がかかり、痛めてしまうひとも多いのだとか。
気を引き締めて下り始めます。
と、ここで気付いてしまいました。
今日まだ一回も自撮りしてない!
それはいけない。ブログのアイキャッチ用にここで撮ってしまいましょう。
胴切坂の下りと登りで一枚づつ。
まぁこんなもんかな?
なにげに歩いてる姿を撮ったのは初めてです。もう少し離れて撮っても良かったかな?
満足して再び歩き出します。
下り坂きつい・・・。トレッキングポールをフル活用することで何とか膝への負担を少なくしていますが、それでもさすがに足全体の疲労が大きくなってきました。
円座石 ⇒ 小口集落
15時頃。地獄のようだった胴切坂をようやく抜け、円座石(わろうだいし)に到着。
熊野三山の3人の神様がこの石の上で語り合ったのだとか。こんなコケだらけのとこにしなくても。。。
そして最後の下り坂を通り・・・
15時20分。民家が見えました!
元気な犬に歓迎され・・・
15時40分。ついに本日のゴールにして宿泊地。小口集落にある小口自然の家に到着しました!
歩行時間:約8時間半(昼食等の休憩含む)
歩行距離:18.9km(YAMAPアプリで計測)
消費カロリー:4137kcal(YAMAPアプリで計測)
いや、長かった。普段登っている鈴鹿の山とは比べ物にならない難易度の道を、何とか歩き切ることができました。
小口自然の家の管理人(今日初めて会った人です!)に挨拶し、まずはともあれ風呂!
その後豪華な夕食を一人で頂きました。宿泊客は僕一人です。おのれコロナ。
そして明日に備えて早めに就寝します。
熊野古道 大雲取越。熊野古道中辺路の中でも最大難易度の道を今回選び、歩き切ることができました。体感的には前回の方がずっときつかったです。
前回は1日目が終わった時点でもう無理と判断して撤退してしまいましたが、今回は大丈夫でしょう。明日は残りの半分を歩き、熊野本宮を目指すとします。
心地よい疲労感と満足感を感じながら、午後9時にはもう布団に入ります。
布団の中、なぜか今になって痛み出した左足の膝に唐突に不安を覚えながら、僕は沈むように眠りに落ちました。
熊野古道2日目 小雲取越に続く↓↓